1年中でもっと寒い季節になりました。お庭の草花や木々は生長が止まっている季節です。
それでも人工的な環境下で栽培される洋ランは、ちょうど花盛りです。
でも買ったときに咲いていても、次に花を咲かせるにはどうしたら良いかわからない
という方も多いのではないでしょうか?
そこで今月は洋ランの中でも見ごたえのあるコチョウランの開花後の管理についてご紹介したいと思います。
開花中は、室温と湿度と鉢土の過湿に注意しましょう。
室温は最低15℃を保つようにします。
ただし、空気中の湿度が下がると花や葉が傷むので暖房機の近くに置かないように気を付けます。
また、時おり霧吹きを行い葉の表面の湿度を保ちましょう。
しかし、鉢土には水を頻繁に与えないようにします。
2・3日水を与えなくても枯れることはありませんが、
寒い時期の水のやりすぎは根ぐされと蒸れの原因になります。
鉢土が乾いてから与える様にしましょう。株の弱りや病気を防ぐためにも、花がら摘みを必ず行います。
2番花を咲かせるには、花芽が付いた茎の下から1/3程度にある節の上で切ります。
そこから新芽が伸びて2番花が3月から4月ごろ咲くことがあります。
できるだけ温かく柔らかい日があたるところに置きます。
液肥を2週間に一度与える様にすると効果的です。
ただし、株の勢いが悪い時、2番花は望めません。
時には、花芽ではなく高芽になって新しい株に育つことがあります。
高芽は、しっかりした葉が3・4枚になったら茎から外して3号鉢に植え付けます。
生産者の方は購入した苗を早く大きく育てて鉢物に仕立て出荷する必要性があり、
植えてある鉢で目いっぱいの大きさで花を咲かせ出荷します。
そのため、鉢の中では根が張っていて、植え替え直前の状態になっています。
その上、育てるのに適さない塗り鉢に寄せ植えして出荷されています。
このような理由で開花後は植え替えが必要になります。5月が適期です。
【植え替えのやり方】
〜準備するもの〜
・発酵バーク、水ごけ ・4号の素焼き鉢
・せん定鋏 ・ピンセット ・先の尖った割りばし
1) |
鉢から植物を取り出す。水ごけ植えは直前に湿らせると取れやすい。 |
2) |
ピンセットや割り箸で水ごけを根から取り除きます。 |
3) |
枯れた葉や傷んだを鋏などで取り除きます。傷んだ根は黒く、手で簡単に抜けます。 |
4) |
新しい素焼鉢で植え付けます。水ごけで植え付ける場合は、一度十分に吸水させた水ごけを固く絞って、それで根を巻いて鉢に植え付けます。水ごけを多く使って堅めに詰め込むと生育も良いようです。発酵バークの場合は、土を入れるように根の間に棒などで詰め込んで鉢に植え付けます。株元がやや高くなるようにします。 |
5) |
植付け後、鉢の中の土にたっぷりと水を与えて下さい。 |
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植付け後、戸外の明るい日陰に置きましょう。直射日光を当てると葉焼けを起こします。 |
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肥料は植え付け2週間後から固形油かすを与え、2週間に1度は2000倍程度の液体肥料を水やり代わりに与えましょう。 |
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夏は葉焼けさせないように木かげに置きます。また、湿度を保つためにも鉢土を乾かさないように気を付けます。 |
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湿度を保つために時々霧吹きをしてやります。 |
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夏は葉焼けさせないように木かげに置きます。また、湿度を保つためにも鉢土を乾かさないように気を付けます。 |
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湿度を保つために時々霧吹きをしてやります |
―病気について― |
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コチョウランは軟腐病や黒点病が出やすいので風通しの良い場所を選んで置きます。
また、夏は定期的に殺菌剤を散布して予防に努めます。 |
・醗酵バークにココナッツハスクを配合した有機質100%培養土です。
・ 胡蝶蘭やカトレアの開花株の植替えに適しています。 ・
シンビジウムの苗などを早く育てたいときに利用します。
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醗酵固形油かすです。ゆっくりと穏やかに効き目が現れます。洋ランの生育に適しています。 |
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骨粉が多く含まれているので花つきを良くする効果があります。 |
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加里を強化しました。洋ランの根の発育を促進します。 |
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通常は鉢の上に置きます。 |
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鉢から転げて落ちてしまう場合には固形に水を与えて柔らかくなってから押しつぶしてください。 |
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1ヶ月で肥料成分はなくなります。形が残っていても新しいものと交換してください。 |
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