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◎これで差が出る |
1年の成長を決める寒肥 |
講師:花ごころ研究室 河合秀治 |
「寒肥」と書いて「かんごえ」「かんぴ」と呼びます。
寒肥は12月から2月の寒い時期に植物に与える肥料なのでそう呼ばれています。
寒い時期に、植物の生長はほとんどありません。
しかし、この時期の肥料は土の中で植物が吸収されやすい形にかわり
春の生長期に効き目を表す肥料となります。
樹木のように年間の施肥量で元肥が大きなウエイトを示すものには特に大切になってきます。
与え方は壺肥、輪肥、車肥などがあります。
共通した与えるコツは、樹冠(樹木の枝先)真下に30センチ程度の肥料や堆肥を与える穴を掘ることです。
また肥料は有機質を主にして過燐酸石灰などりん酸肥料の多い化成肥料を与えると良いでしょう。
◎壺肥 ◎輪肥 ◎車肥
この時期、化成肥料は植物に吸収されにくい傾向があります。
しかし、有機質に由来する肥料分は冬の寒い時期でも吸収されやすいから寒肥には向いているのです。
また、寒肥として多くの量を一度に与えるのでゆっくりと肥料化して根を傷めない有機質肥料
が向いているとも言えます。その上有機質肥料には土壌を改良する効果があるので
植え替えをしない樹木や宿根草の肥料には適しています。
「野菜や樹木に堆肥を与えたから後は肥料はいらないですね。」とよく質問を受けます。
答えは二通りで、1.堆肥と一緒に肥料もあたえてくださいね。2.堆肥だけでも十分ですよ。と答えます。
その差は何でしょうか?
それは与える堆肥の種類によります。堆肥には肥料分の多い牛糞堆肥、鶏糞堆肥などがあり
これらの堆肥を寒肥に多く使う時はそれだけでもこと足りることがあります。
しかし、樹皮やおが粉などを原料にしたバーク堆肥を寒肥と一緒に使うときは
必ず油粕や配合肥料などの肥料を与えましょう。
バーク堆肥は土壌改良が主な効果になります。肥料分を同時に与えることが大切です。
寒肥を与えるときに大きな穴を掘ると根を切ってしまうので植物が傷んでしまわないだろうか?
と心配される方へ。
この時期、太い根を切ることは却って春の新根を出させるのに大切な作業になります。
太い根は養分や水分を吸収する能力が劣ります。
しかし新根は養分等の吸収能力が高いので樹木の生育をより助けます。
つまり根の新旧交代といった所でしょうか。
乾燥した無臭な牛ふん堆肥 肥料分が豊富で土壌改良効果に優れます。 有機質の効果で土壌の水はけ、水もち、肥料持ちを良くします。 バラだけでなくその他の花木や果樹、野菜にも使っていただけます。
■■■ 使い方 ■■■
植え付ける用土に対して2割程度混合して埋め戻します。
同時に有機質肥料や過燐酸石灰を与えると良いでしょう。
肥料はりん酸分の多い配合肥料ならそれだけで十分です。
穴の深さ30センチ程度なら5Lのバラの堆肥に一握りの肥料を与える様にします。
大粒なので長い期間肥料効果があります。 腐植質肥料なので土壌の改良効果があります。 寒肥以外にもお礼肥などの追肥にも便利です。
■■■ 使い方 ■■■
樹木の枝の下に穴を掘り適量を入れて埋め戻します。
樹木の周りには5.6箇所の穴を掘って肥料を均等に分けて与えましょう。
根の張りが均一に成ります。
発酵固形油かすです。 骨粉を多く配合してあるので花や実付きを良くする効果が期待できます。 100%有機質肥料なので果樹や野菜にも安心して利用できます。 りん酸分が多いので過燐酸石灰などを同時に与える必要はありません。
■■ 使い方 ■■■
庭木の場合は樹木の枝先の下に5.6個所穴を掘り適量を埋めます。
1ヵ所に軽く一握りが適量でしょう。
鉢物の場合は適量を鉢の上に置きます。
形が残っていても一月ごとに交換します。
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